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大企業のリストラが始まる
−今時の就職活動で注意すること

2012/2/7

 何だかんだ言っても、やっぱり大企業に就職したい。就職ランキングの上位に掲載
されるような企業に就職したがっている学生がやはり多いようだ。

 しかし、今後は就職ランキングをじっくり見るよりも、まずは自分を見た方がいい
だろう。

 今後5年ぐらいに、就職ランキングの上位企業がどこか消えていても不思議ではない。

 最近、家電業界で大赤字になっている企業が続出している。NEC、ソニー、パナソニ
ック、日立、シャープ、などなど。

 今年からそれらの企業で、大規模なリストラが開始されるだろう(NECは既に1万人
のリストラを発表済み。他社もリストラを発表している)。

 つい10年ほど前までは超優良企業で、超人気企業だった会社も、今は相当傾いてい
る(最悪の場合、大手企業の倒産を近い将来に目の当たりにするかもしれない)。

 もし、それらの大企業に勤めていても、市場価値のあるスキルが何もなかったとし
たら…。即座に無職に転落。また、再チャレンジ不可能社会に近い日本の現状がある。

 今や大学生は、昔以上に自己の適性や好きなことを把握し、自分の理想的な生き方
や価値観などを細かく分析して、ベストマッチな職に就かなければならない。

 この場合もちろん会社で選ぶのではなくて、その自分の適性等にベストマッチな仕
事ができるポジションがある企業を選ぶべきである。

 そして仮に、ほぼ同じようなポジションがより大手の企業に存在しているとしたら、
その時点で初めて大手企業を考慮すればいいだろう。

 就職という漢字の成り立ち通りに、今後はようやく本来の意味である、「職に就
く」時代になるだろう。「会社に就職する」時代から、「職業」に就く時代へと。

 また、そうしないと、仮に運良く新卒で大企業に入り込めたとしても、リストラさ
れたり、会社が倒産した場合に、自分の適性が生かされたスキルが見に付いていなか
ったり、その時になって初めて自分というものに向き合うことになるだろう。そうな
ったら、時既に遅しの可能性がある。

 大企業に入ってなんとなく時間を過ごしているだけで、市場価値のあるスキルが何
も見に付いていない場合、転職は難しい。経歴だけでご飯を食べていける時代ではな
い。

 特に、大企業でゼネラリスト的に仕事をしているホワイトカラーがリストラに合っ
たら悲惨だ。

 昔サラリーマンをしていた時に、最初に勤めた会社(中小企業)で、電通をリスト
ラされた50歳ぐらいのおじさんが、時給700円でパートをしに来ていた。

 管理職的な仕事をしていたらしいが、今の日本では市場価値のある専門性がないと、
再就職は実に厳しい(高齢の場合は特に)。

 今の若者は、遅くても30代前半までに、いつでも転職できるような市場価値のある
スキルを身につけるように、自分の適性や好きな仕事をベースにキャリア設計をして
ゆく必要がある。

 市場価値といっても、上を目指し過ぎる必要はない。個人的には、最低毎月20万円
ぐらい稼げるスキルを身につけておけば、突然会社が倒産したりリストラに合った場
合などでも動揺することはない(最低限生活はできるだろう)。

 スキルを生かして転職(または独立)すればいいだけだ。

 市場価値のあるスキルがあれば、つまり、即座に他社に転職できるということであ
る(または、その金額を独立して稼げるという意味)。

 はっきり言って、新卒1年目(半年ぐらい)は皆給料をもらいすぎている。それは会
社からの投資だ。

 だから新卒で正社員として就職した人は、勘違いしやすい。

 給料が安いとか、20万ぐらい稼ぐのは簡単だと。

 しかし、一度会社を退職したり独立してみると、その数字の重さが分かるものである。

 転職して、または独立してその金額を稼ぐには、スキルが必要な時代になった。

 とりあえず若者(特に学生)は、就職活動をする前にしなければいけないのは、徹
底的な自己分析だ。本などに頼るのではなく、自分の心に聞いてみた方が良い。いっ
たい自分は何が得意で、どのような仕事をしたいのかと。理想的な生き方は何なのか
と。雰囲気ではなく、自己の体験を基に論理的に分析してみる。

 就職ランキング等の情報は見ない方がいいだろう。そのような情報は、あくまでも
エンタテインメントとして見る程度にした方が良い(私は見たこともないが)。

 今は情報を集めるにはいい時代だ。ネットでいろんな業種の人の話を調べることが
できるだろう(会社の雰囲気だけではなく)。

 可能な限り自分がしたい仕事の詳細を調べるといい。できればネガティブな情報に
焦点を当てて。

 どの仕事、生き方ににもポジティブな面はあるが、会社を辞める理由はネガティブ
な面にあるだろう。だから、ネガティブな情報こそが宝である。また、ネガティブな
情報こそネットには書かれていることが多い。なぜなら、仕事での愚痴などをネット
でこぼす人は多いからだ。

 目指す仕事、その仕事での生き方のネガティブな面は、自分にとってどう感じるの
か。苦痛と感じないなら、その仕事に適性(すべてではなくても)があるということ
なのかもしれない。

 大企業の倒産も現実味を帯びてきた今、頼れるのは自分しかいない。

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