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好きな仕事なら頑張れる!
−新世代の生き方

2012/1/26

 まずは、毎日新聞の記事(2012年1月3日)から一部引用:

・「がんばって一生食っていけるならがんばりますよ。でも今は、がんばってもメリ
ットはない。そもそも、僕らの世代は食うことが目標じゃない。自分が面白がって、
オタク的にやったことに対して『へえ、おもしれえじゃん』と言われたいだけ」

 がんばらないが猛烈に働く。徹夜もするし、休みなしで1カ月働くこともある。「オ
タクですよ僕らは。好きなことだから、働かされていると思ってない」

・職場を見学した。社員はずっと電話に張り付き、航空券の予約に追われていた。
延々と同じ作業。疲れた表情が印象に残った。下積みの時間がもったいないと感じた。

「うまくやってはいけそうだったが、歯車になりそうで。いったい何を学べるのか見
えなかった」

 よく、タイ人の妻が言う。「日本はどんよりしてる。みんな楽しそうじゃないね」。
自分もそう思う。「会社員、しんどそうですもん。心も体も病気になるまでがんばる
って何だろうって」

(引用終わり)

 好きこそものの上手なれというが、今の時代は好きじゃないと続けられない時代
なのかもしれない。

 確かに、嫌いなことを無理してやると、ストレスのたまり方がすごいだろう。短い
期間なら続けることができても、長期間嫌いなことなんてやっていたら、それこそ心
の病気になってしまうかもしれない。

 昔は時代が良かったため、嫌いなことでもストレスのたまり方が非常に緩かったと
想像できる。だからこそ、多くの人が一つの会社に就職して、定年まで仕事をするこ
とができたのだろう。

 バブルの頃は待遇だって非常に良かっただろうし、仕事のストレスを豪快に遊んで
発散することができたはずである。

 今の時代に比べて、仕事のストレス自体が少ない上に、さらにそれを遊んで発散で
きる時代。

 さらに、右肩上がりに待遇が上昇していた時代(終身雇用という保証と共に)。

 これらを考えると、上の世代の人間は、「石の上にも三年」だとか、「今の若者は
すぐ辞める」なんて良く言えたものだ。条件がまったく違うのに。

 今の時代、なぜ若者は好きな仕事を目指さなくてはならないのか。それは、仕事の
ストレスが昔とは段違いに高く、将来の見通しなども不確定で、嫌いな仕事だと心が
まいってしまうからだ。

 だからこそ、好きな仕事をすることで、なんとか毎日健康に生活できるということ
ではないか。

 待遇も労働負荷も昔に比べて保証されていないとしたら、最後に行き着くのは楽し
さではないか。

 いや、人間関係も大事だろうが、人間関係はどこにいっても保証されていない。他
に行けばさらに悪い環境かもしれない。

 しかし、自分が好きなことというのは、この不確実性が高い世の中で、確かな尺度
となり得る。

 つまり、自分の好きなことを探し求めてそれを頼りに生きると、心(幸せ)が安定
しやすいかもしれない。

「仕事とは辛いことをやって、その対価として給料がもらえる」。

 確かにそうだが、嫌いな仕事における辛いことと、好きな仕事における辛いことは、
重さがまったく違う。

 好きな仕事をやっていても辛いことはもちろんあるだろう(残業をしないといけな
い、休日出勤をしないといけないなど)。しかし、好きな仕事をやっているとストレ
スが日常的に少ないせいか、きつい仕事(好きな仕事における)にも結構耐えられる
ものである(徹夜などは無理だが、個人的には)。

 スティーブ・ジョブズが、「好きな事を見つけて頑張れ」のようなスピーチをした
が、まさに現代にはピッタリの名言だろう。

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