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MHKで見せたダウンタウン松本人志の力
…笑いの神は健在

2011/11/7

 久しぶりにダウンタウンの松ちゃんと浜ちゃんがコントをするということで、土曜日
(2011年11月5日)にNHKで放送されたMHKを見てみた。

 正直あまり期待していなかったが、予想を大きく上回る面白さだった。学生の頃に
ダウンタウンで相当笑わせていただいたが、当時を少し思い出すほどの出来だった。

 1本目のコントは、オンリー。CMや映画の撮影現場で、セリフなどを別に録音するこ
と、という題で、プロデューサーに扮した松ちゃんが、俳優(役者?)に扮した浜ちゃん
にオンリーを撮らせていくというコント。

 松ちゃんのボケと演技は、当時を彷彿させる素晴らしいものだった。くだらないという
か、どんどん無茶苦茶になっていくボケセリフが秀逸。言い方や表情、身振り手振り
など、松ちゃんのお笑いのエッセンスが詰まっていた。

 欲を言えば、浜ちゃんにもう少し暴れて欲しかった気がする。松ちゃんのボケに対
して、もっと暴力的にツッコンだり、いろんな表現でもっと積極的にツッコンだりしてい
たら、もっと面白かったかもしれない。やはり、年をとったということだろうか。

 芸人は、少なくても芸の中では、可能な限りバカでいなければならないのかもしれ
ない。

 若い時は自然にこれができても、年を取っていくと恥じらいなどが邪魔をし始める
のだろう。

 特にツッコミの方は、MCなどをこなすうちに、どんどん賢くなってしまう可能性が
ある。

 また、MCのブランドというか、司会者の価値的な観点から、バカを演じにくくなる可
能性もある。そうなると、笑いには明らかにマイナスだろう。年を取っても面白くあり
続けるには、ここを以下に打ち破れるかがポイントなのかもしれない。

 さて、2本目の影絵は(松ちゃんなど登場はなし)、ちょっと汚さがあるが、まぁ、
軽いボケを散りばめて、1本目のクールダウン、3本目のつなぎというとこだろうか。
そのように3本の全体的な構成を踏まえると、悪くなかったと言える。

 そして3本目。特に、1本目の中盤から終盤にかけて笑わせてもらい、ウォームアッ
プされていたのもあるが、個人的にはオンリーに勝るとも劣らない出来だったと思う。

 これも、松ちゃんのバカそうな格好(探偵)、セリフの言い方、表現(表情)など、ア
ホさが満開で非常によかった。

 特に、「〜的」のどんどんアホになっていくボケがツボに入った。オンリーでもいく
つかツボに入ったアホなボケがあったが、この「〜的」も非常に面白かった。

 全体を見て思ったが、松ちゃんのお笑い演技力は素晴らしいものがある。アホなオー
ラが強く出ている。そのアホなオーラとアホなボケで、強いお笑いが生まれるのかもしれ
ない。

 やはり松ちゃんには映画監督をきっぱりと辞めてもらって、今一度コント作りやお
笑いに専念してほしい。

 今回のMHKを見て改めて思ったが、映画監督には向いていないだろう。映画監督を
やりだしてから、お笑いも面白く無いと考え始めた人が多いのではないか。

 その偏見によって、松ちゃんがせっかくいいコントを作っても、せっかく素晴らしいお
笑いを提供しても、面白さを感じ取れなくなってしまう人が増えているのではないか。

 今回の11月5日NHKで放送されたMHKの動画が、デイリーモーションでアップされてい
る。しかし、今現在の動画再生数が、わずか3800回ちょっと。

 どれほどの人が生で見たか、録画したのかわからないが、ダウンタウンの久しぶり
のコントというわりには、注目度が低過ぎるのではないか。

 これは、松ちゃんの映画に関する評価が、松ちゃんのお笑いに対しても悪影響を及
ぼしている証拠であると思う。

 今回のMHKを見る限り、まだまだ面白いコントが作れるし、お笑いの力は確かにある。

 だから松ちゃんには、ぜひ今後もコント番組やお笑いに力を入れて欲しい。松本人
志オンリーの世界観で。

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