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老害による日本の停滞

2011/9/22

 先日、ヤクザとの問題で島田紳助が芸能界を引退した。引退前は数々のテレビ
番組の司会をしていたが、あまり紳助が好きな方ではなかったので、紳助司会の番
組を見ていなかった。トークスキルやMC能力はすごいと思うが、性格がどちらかと
いうと嫌いだった(暴力的で高圧。威張り散らす感じなど)。

 この前、久しぶりに行列のできる法律相談所を見てみた。紳助引退後、第3回
目だったらしく、MCはフットボールアワーの後藤がやっていた。

 トークスキルなどはまだまだ紳助には及ばないが、番組全体の雰囲気は良かっ
た。明るくて、調和が取れていた感じだ。

 東野や久本雅美がうまくカバーしていた。雨上がり決死隊宮迫の、「早く稲森い
ずみさんを紹介スレや! 大女優の!」的なつっこみはやや嫌な感じではあった
が(どこか紳助に通ずる高慢な口調)。

 番組の内容自体はともかく、番組全体の雰囲気が明るくなったため、テレビを
見ようかなという気にはなった。また、フット後藤の謙虚な感じは非常に良かった。
なおかつ、潜在能力を感じさせるツッコミも見られた。今後経験を積んでゆけば、
そこそこいいポジションを得られるのではないか。

 また、深イイ話も見てみた。その回の紳助の代わりは、くりぃむしちゅーの有田
だった。フット後藤がMCをした行列のできる法律相談所と同様に、雰囲気は非常
にいい感じ。

 どちらの番組でも共通していたのが、なんだか周りの芸人たちがいきいきとし
ていた。ということは、紳助一人がいなくなっても、全体としてより面白く、より好
感度の高い番組ができるような気がする。後は、番組の内容や構成次第だろう(
これも極めてもちろん重要で、最近の番組は見る気が起きないものばかりではある
が)。

 この紳助の例から、今の日本を落ち込ませているのは、若手の力を押さえ込ん
でいる老害なのではないかと思った。

 他にも、例えば出版業界の場合、電子書籍がなかなか普及しないが、これは再
販制度という利権に妨げられている。本を定価でしか販売しないようにする法律で、
出版社の高齢者の不合理に高い給料を守っているとしか考えられない。

 日本では若手のイノベーションが、自分の利益しか見えない無能な老害集団に
より潰される環境にあるのではないか。そして、イノベーションどころかモチベー
ションも奪われるという。そんな構造の中、「若者はやる気がない」などと…。

 この老害は、公務員の職場こそ甚だしいのではないか。若手の創意工夫を潰し
たり。余計なことはするな、などと。自分たちは何もせずに、働きまくっている若
手の2倍以上給料をもらっていたり。

 今の日本が停滞しているのは、まさにオールドジャパンの利権にまみれた腐っ
た構造なのではないか。

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