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今年は徐々に円安になる?
−大統領選挙、TPP、米国の長期的戦略

2012/2/6

 現在超円高の為替相場だが、今年から緩やかに円安になるのではないかと思う。

 なぜなら、今年はアメリカで大統領選挙があり、オバマ大統領は再選をかけて大統
領選挙の前に、雇用関連の数字など嘘でもいい数字を出してくるだろう。

 そして、数字上で実体経済がどんどん好転してゆく。それに乗せられるように、為
替相場や株式市場も上昇(ドルがやや強くなる)してゆくだろう。

 つまり、オバマ大統領選はドル安政策を取っている一方で、再選のために景気関連
の数字を上げざるを得ないので、その影響を受けて緩やかに円安に向かうだろう。個
人的な(ど素人の)予想としては、今年は80円後半を目指す展開になるのではと想定する。

 しかし、そのおかげで日本企業(輸出で稼ぐ大企業など)が復活するかといえば、
ノーだろう。

 最近、家電業界を中心とした大企業に暗いニュースが溢れている。

 パナソニックの7000億円の赤字を筆頭に、シャープの2900億円、ソニーの2200億円、
necの1000億円(1万人の人員削減を発表)の赤字等。

 米国という国は、長期的戦略を立ててくる国だ。おそらく、日本企業が弱るのを待
っているのだろう。

 円高だけで日本企業が負けているわけではないだろうが(NECは国内取引が中心なの
に、この赤字と大規模なリストラの必要がある)、円高で企業の赤字が加速している
のは事実だ。

 おそらくオバマ(アメリカ)は、円高にしばらくしておいて日本企業を弱らせて、十分
に日本企業が潰れてから、大統領選挙に向けて徐々にドル安に移行させ(ドル安
を受け入れるというか、大統領選挙に再選するために雇用関連の数字などいい数字を
出さざるを得ないので、そうなってゆく)、そして最後に、TPPに日本を取り込むとい
う作戦ではないか。

 日本企業が弱ってからなら、TPPに日本が参戦しても、日本企業が米国市場で稼ぐ力
はないだろうし、そうなると米国企業が受ける損失は最小限になる。つまり、TPPで
米国が思うように暴れまわることが可能となる。

 そう考えると、今年前半に日本の大企業群に何かしらの大きな変化が続発するかも
しれない。つまり、倒産や大規模なリストラの連発。

 そして、日本企業が限界まで弱まったと米国が判断してから、日本をTPPに参戦させ、
オバマ大統領は再選する。

 そして、アメリカは徐々に力を取り戻し、景気も緩やかに回復してゆく。そして、
オバマの支持率は上昇する。

 さて一方で、円安になっても、迷走を続ける日本の政治、力を失った日本企業では、
もはや円安によるメリットもそれほど受けられなくなる(むしろ輸入の際の購買力定
価というデメリットの影響が大きくなる)。

 そして、国力自体が著しく低下を始める。

 最悪の場合、日本破綻、あるいはスレスレまで一気に追い込まれる可能性もあるだ
ろう。

 税収も大きく低下し、いよいよ公務員の削減や天下りの撲滅も待ったなし(これは
いいニュースではあるが、日本の富が米国に移動するのは事実だろう)。

 日本を完全にコントロールする、経済的にも強い米国の復活。

 こんなど素人のシナリオははずれて欲しいが、民主党政権の無能ぶりを見ていると、
このシナリオ以上にひどい惨状が待っているような気がしてならない。

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