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実績を伴った経験が必要な時代

2009/4/21

 有名大学にいっただけでは成功は保証されない。大学で教えるのも、狭き門に
なっているようだ。

 日本でもそうだが、これはアメリカでも同じらしい。特に、金融危機以降に様変
わりしている。

 21日付のデイリー・プリンストニアンが報じている。

 大学で終身保証のポジションを得て教鞭をとろうと、プリンストン大学の大学
院に来た学生の話が載っている。

 5年前ぐらいに、プリンストン大学でPh.Dを希望していた友人が、終身制のポジ
ションを獲得。それを見て自分も大丈夫だと考えていた。だが、状況が大きく変化
した、と述べられている

 大学側の採用が激減しているのが原因らしい。またそのため、採用基準も以前
よりシビアになっている。

 Ph.Dが必ず必要、あるいは実際に教えた実績を持っていること。特に、後者の
重要度が増していると述べられている。

 日本でもオーバードクター問題が存在する。その問題は、だいぶ前から指摘さ
れていた(5年ほど前)と感じる。米国は大学数が半端じゃないから、この問題が
あまり表面化してこなかったのだろうか。

 少子化の影響で定員が削減されているのが一番大きな理由だろう。いや、必要
以上に高学歴化し過ぎているのではないか。

 社会に出て働き始めれば、いかに学歴が空虚なものかわかる。仕事のパフォー
マンスと学歴は、ほとんど関連性がないからだ。

 教育業界は、一大産業である。各国政府にとって、これほど都合の良いシステ
ムはない。失業率を抑え、いやむしろ、大金を投資してもらえる。

 多くの若者は夢を持って、自信と希望に満ち溢れて大学に行く。だが、大学を出
た多くの若者に待っているのは、それまでの夢を粉砕するかのような、新社会の現
実である。

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