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 学校教育がうまく機能しているように見えたのは、1章で述べたように、社会
が右肩上がりであったからである。高校生に、うちの会社に就職してくださいと、
企業が多数訪問していた時代の話だ。

 現在の現実社会(新社会)は、学校教育とのギャップが激しくなっているので
ある。

 現実社会は過酷なまでのスピードで変化している。学校教育の仕組み自体が古
びたままでは、学生がいくら努力しても、そもそも現実社会で通用するはずはない
のである。まるで違うルールが採用されているのだから当然のことである。

 むしろ、必死に努力した学生ほどもしそれが後ほど無駄だったと気づいたとき、
恐ろしいほどのマイナス感情に襲われるのではないか。必死に努力して突破してき
た試験は何だったのかと。あれほど先生や周りの友達、親からも評価されていたの
に、などと。

−学校での評価基準

 与えられた課題を効率よくこなし、その結果が点数で表され、点数が高いと優
秀とされる。

 課題の解答は決まっているので、何度も繰り返せば解答に早く正確にたどり着
くことができて点数は上がる。つまり、評価が上がる。

 大学が終わるまで学校機関の評価軸は、このペーパーテストの点数で主に評価
されることになる。

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