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 新社会での学歴は、正確に言えば、新卒優先主義という権利を行使するときに
のみ、最低1回は効果を発揮する。

 いや、実はそれ以前の社会、上の世代においても、学歴は実社会に出てしまえ
ば関係がなかったと言ってもよいだろう、実際の仕事上では。ただ、時代が右肩上
がりであったために、その問題が浮上してくることはなかったのである。あるいは
気にする必要がなかった。

 この章では、学校教育とは何かを考え、それと新社会での関連性、効果などに
ついて考察してみたい。

・学校教育とは何か?

 簡潔に言えば、「社会に出るための準備」と言えるだろう。大量の人間を誰もが
社会に貢献し、社会に適応し、大人として自立して生きていけるように育てるの
が、学校教育であると考える。

 学校はそのために教育プログラムを考え(文部科学省を中心に)、学校の先生
らはそれに従い奮闘しているはずである。

 だが結果として、一生懸命に好成績を残し続けてきた若者(高学歴の若者)で
すら、新社会ではまったく力を発揮できない者が大勢いる。

 つまり、現在(まで)の学校教育では、大量の人間が社会で活躍できるように
はなっていない。

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