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第1章


変化したルール:
若者が直面する新社会とは?


 バブルが崩壊し、1990年代前半から半ば以降に「就職氷河期世代」という言葉が
はやりだした。その世代を含め、それ以後の世代をここで言う「若者」と定義する。

 2000年前後から景気が回復し(個人的には真の回復とは思えないが)、2007年あ
たりまで新卒求人は良かったようだ。だが、この世代も、それ以後の世代もここで
言う「若者」グループに含める。

 なぜなら、「就職氷河期世代」以降の人間は、おしなべてほぼ同じ社会構造の中
で生きていくことになったからだ。

 そう、それこそが「新社会」であり、相当数の若者が直面している社会である。

 それ以前の世代とはあまりにも異なる有様で、数々の問題を引き起こしている
(フリーター、ニート、少子化、非正規雇用、無力化、3年で会社を辞める、うつ、
引きこもり、ネットカフェ難民、などなど)。

 新社会が登場した時期は、「若者」が発生した時期とほぼ同時期と考える。つま
り、バブル崩壊以降の1990年代前半からである。

 この章では、新社会で若者が直面してきた(している、あるいは今後も直面する)
問題を、さまざまな角度から考察してみたい。

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