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道無き道を創る時代?
−若者の生き方とは

2012/1/24

 以下、毎日新聞(2012年1月10日)の記事から一部引用:

・両親は国語教師。幼いころから塾に通い、受験勉強に明け暮れた。私立女子高から
京都の名門女子大に進学し、そこで力尽きた。「もう私終わっていいですか、みたい
な。その後はまるで余生」

 受験勉強以外の道を示されず、合格した後どうなるかも教えてもらえなかった。精
神的に不安定になり、リストカットするようになった。授業には出たが、就職活動に
興味を持てない。

 どの会社に行ってもつぶれる時代。

 安定した職を目指さない自分は、世間から見れば「逃げている」のか。だが「今は、
すごく安定している」と感じている。

・30歳前後の世代は年金一つとっても先行世代の犠牲者。仕事でも労働力の調整弁
にされている。将来図を描けず、もしくは描かないのは、夢を追うことで徒労感を味
わいたくないからだろう。過労死する前にとっとと職場を離れるのは、「がまんでき
ない」とも言えるが、心身の「健康センサー」が敏感に働いた結果とも言える。

(引用終わり)

 今の30代(就職氷河期世代初期から中期)は確かに、受験勉強の競争は激しかった。
団塊の世代の子どもたちなので、人口も多い。

 しかし、受験勉強の先に待っていたものは、教えられていた社会とはまるで違う、
新しい社会。

 従来の価値観がまるで通用しない、過酷な労働環境。

 今の30代(以降も)ははっきり言って、国にいいように利用され尽くされ始めた世
代なのかもしれない(いや、戦争当時の若者はもっとひどいか…喜んで国のために死
んできます!、なんて言わされて戦地に送られて死亡…日本バンザイ…)。

 冷静に考えれば、今の労働・社会環境を政府(官僚)は読めていたに違いない。

 しかし、受験勉強を煽らないと、失業率は跳ね上がるし、金が世の中に回らない。
また、文部科学省関連の厄人(タイプミスじゃなくて)の懐も寂しくなる。

 国民に大金を出させて、しかも失業率上昇が抑えられる。こんないい手はないでは
ないか。

 このように考えてみると、大学院の増設や法科大学院を増やしたりしたのも、まっ
たく同じ理屈なのではないか。

 若者たちにさらに夢を見させて、金のある家はたっぷりと教育に投資してください
よと(就職できるかどうかは、こっちの知ったこっちゃないですけどね!、という感
じで)。

 政府と役人は、実に巧みに若者をコントロールしてきたものである。

 若者はそれを踏まえて、健康を維持できるように、自分なりに小さな幸せでも感じ
られるように、戦略を持って生きねばならない(天下りや馬鹿国会議員や馬鹿公務員
のために、命を削ってまで悩まないように! ある意味もっと適当に、気楽に生きよ
う!)。

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