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古い価値観ではもはや仕事は続けられない?
−若者の苦悩

2012/1/18

 無理に嫌いな仕事、心が乾くような仕事は続けられない。

 昔は時代(団塊、バブル世代)が楽だったから、今若い世代が直面してるような難
しい問題に対処する必要がなかったのだろう。

 心に時として浮かぶ違和感なども、無視することができただろうし、社会が生んで
いた強烈な追い風に助けられて、大きく落ち込むこともなかったはず。

 今の30代以下が直面している世界の苦しさは、バブル世代や団塊の世代にはわから
ないだろう。

 さて、前回の記事に続き、毎日新聞の記事から一部引用したい:

・上司からは「うそぐらいつけなきゃ社会人失格だぞ」と怒られた。適当にごまかせ
ば済んだ話かもしれない。でも心に引っ掛かった。「社会人としてうそをつく場面が
あるのは理解していた。でも突き詰めて考えたら、うそをつかない生き方の方がいい
んじゃないのと」。昨年11月に退職を申し出た。

(引用終わり)

 経済的に気楽に上を見ることができなくなったからなのか、人間として若い世代の
方が精神が向上してきたせいなのかはわからないが(個人的には後者だと感じている
が)、若い世代は精神の充足を求め始めている気がする(全員ではないが)。

 バブル世代や団塊の世代は物や金の豊かさを追求してきた一方で、今の若い世代は
精神の充足を求め始めているのではないか(あるいは、そう仕向けられているのかも
しれないが)。

 従来の価値観に沿って、平穏な日々を送ることが非常に難しくなってきたと感じる。

 従来の価値観とは、大学を卒業し、正社員として就職し、結婚し、後は死ぬまでそ
のルーチンをひたすら繰り返すのみ。

 人にもよるのだろうが、今の若者の多くは、その過程で心に浮かんでくるいろいろ
な違和感に苦悩しているのだろう(仕事って何だろう、生きるって何だろう、などと)。

 これは現在の40以上の世代にはあまり多くなかったのではないか。そんな些細な
(?)ことなんて無視して、ひたすら黙って仕事をして、金を稼いでいい生活をしろ、と。

 現在若者が置かれている状況(特に雇用環境、経済環境)は非常に苦しいものでは
あるが、苦悩の先には、さらなる精神の充足と向上が待っているのかもしれない。

 それはある意味、皮肉にも上の世代が築いてきた富をベースにして初めて成り立つ、
魂向上の旅なのかもしれない。

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