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若者の就職状況と労働環境が酷い
−追い込まれる20代、30代

2012/1/17

 毎日新聞の記事(2012年1月5日)で、30代前半の苦境を取り上げている。

 記事には、いろいろとネガティブな言葉が並んでいる。例えば(一部引用):

・このまま会社に残っても給与は出ないと言われ、退職した。身勝手なのは自分か会
社か、分からなくなった。

・「いつクビになるか不安。また惨めな就職活動はしたくない」−−向かいの席に座
る上司の一挙手一投足が気になる。

・若手の正社員ですら簡単に職を失う時代が来たと思った。

・再就職を目指し、失業給付を受けながら簿記2級の資格を取った。「当時はまだ大
丈夫と思ってた。大学を出て、正社員を8年して、簿記を持ってて、何とかなると」
−−現実は甘くなかった。

・ようやく内定をもらった都内の食品会社。年収は約400万円。一生懸命働こうと
思った。しかし、入社1カ月後に採用担当者に呼び出された。「こんな好待遇なのに
さ、あなたそれに見合う能力がないよ。会社が求める10分の1も働いてないじゃな
いか」

・2カ月目、別室で「解雇します」と通告された。離職票には「能力不足」の文字。
何が足りなかったのか、今も分からない。

・過労死寸前の働き方や貧困にあえぐ若者への共感が会場を包む。「いつ自分がそう
なるか分からない」−−30代の実感だ。

・10年の同調査によると、勤め先や事業の都合で職を失い、求職中の人は102万
人。07年の59万人から急増している。

(引用終わり)

 正社員として職に就くのが難しい時代ではあるが、正社員として定年まで仕事を続
けるのはもっと難しい時代ではないだろうか。

 と言っても、生きてゆくためには仕事をしないといけないわけだが、従来のような
価値観(大学を出て、正社員として定年まで仕事をする)で気楽に過ごせる時代では
ない。

 はっきり言うと、昔の世代よりも生活レベルを落として、長期的に健康を保ちなが
ら、自分なりに充実した生活ができるように、自分独自のライフプランを考えて生き
てゆく必要があるだろう。

 無理をしてモチベーションを高めたり、ポジティブ思考や自己暗示なんかを取り入
れて毎日頑張っていても、体は正直なものである。年を取るとともに、いつか何らか
の症状が出てくる可能性が高い。

 そして症状が重い場合、一気にどん底へと突き落とされる可能性もある。なぜなら、
今の日本では、簡単に再チャレンジができないようになっている。

 高校に(低レベルの高校であっても)会社側から、ぜひうちで働いてくれ(もちろ
ん正社員として)とわんさかやって来た時代もあったようだが、今ではまったく想像
がつかない。さらに、そんな民間の状況にありながら、民間に就職できなかった人に
は、フリーパスに近いような公務員(アホでも大量採用)という道もあった。

 残念ながら、生まれて来る時代を選ぶことはできない。

 今の時代の現実を冷静に受け止めて、自分なりに持続可能なライフプランを立てて
生きてゆくしかないだろう。

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