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高度なスキルがあっても仕事にありつけない(または生活が苦しい)?
… 弁護士の就職難に見る仕事の選び方、今後の生き方…

2011/10/21

 弁護士の就職難が深刻さを増している。

 MSN産経ニュースの記事(2011.10.19 19:10)によると、就職先未定の司法修習生が、
今年9月の時点で35%。昨年よりも12%増加したらしい。

 また、エキサイトニュースの記事(2011年10月12日 07時00分)では、元フジテレビ
アナウンサーの菊間千乃さんの話を紹介している。

 菊間さんは、厳しい司法修習生が多い中、国外の案件も扱うそこそこの弁護士事務
所に就職が決まったらしいが、「今、月にたった20万円しかもらえないの。AD並みの給
料で生活が大変」と嘆いているようだ。

 さらに、パラリーガルウェブというところでは、給料未払いについての質問まである。
弁護士事務所でこんなことがあるのかと。

 弁護士の職業といえば、文系で言えば最高峰の仕事に属するはず。弁護士になるた
めには、莫大な時間と費用などを投資しなければならない。

 その結果が、上記の例のような惨状だと、あまり報われない現状がある。

 単純に待遇だけを考えるのなら、今後は高卒で公務員になるのが一番楽で、なおかつ
リターンが高いと考えても不思議ではない。

 相当な頭脳職の弁護士が、事務職公務員よりも数倍低い待遇になるかもしれないし、
あるいは、最悪の場合仕事にもありつけないことすら現実味を帯びている。

 スキルがないと仕事が得られない時代ではあるが、高度なスキルがあっても、今後は
スムーズに仕事を得ることが難しくなる(既になっている)。

 文系は非常に厳しい時代を迎えている。物は売れない時代ゆえに、営業職や販売職は
続けるのが難しい。

 そこで、弁護士のような専門職を目指す人が増えているが、それでも就職難という惨
状。

 もちろん、じゃあ、公務員になれば幸せな生活がおくれるかというと、そうでもなかっ
たりする。事務職系公務員の知り合いに、数年でうつ病になり、退職を余儀なくされた人
もいる。

 はっきり言って、公務員の事務職なんて、生産性がないものが多いし、仕事のやりが
いが感じられないのだろう(好きな人は幸せだろうが…)。

 いくら給料やボーナスが保証されていたり、職が守られていたりしても、人間それだ
けで幸せに生活できる生き物ではないらしい。

 では、今後人(特に文系)は、如何に生きるべきだろうか。

 それは、個々人の価値観や人生観に委ねられるとしか言えない。いやむしろ、価値観
や人生観を従来よりもダイナミックに転換させないと、幸せに生活することはできないの
かもしれない。

 自分にとって一番楽しい生き方。充実する生き方は何なのか。ひいては、自分とは何
なのか。

 そのような、より深い精神性を探求し、確たる個に基づいて職を探し、生活して行け
る行き方を探すしかないのかもしれない。

 つまり、従来の世の中で正解とされてきた価値観(学校を出て、正社員として就職し、
結婚して、家を買って…など)を捨て、新たな価値観を自分で築き上げていく時代になっ
たのだろう。

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