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仕事の選択、人生の選択

2010/11/18

 仕事の選択基準や人生の選択基準。人によってさまざまだが、人生で後悔だけはしたくな
い。その思いは誰にでも共通しているのではないだろうか。

 それにしても景気が悪い。保守的な考え方の人が増えたとしても不思議ではない。ただ、
どれだけ仕事が安定していても、楽をして給料がもらえるとしても、実際それだけで人間満足
できるものではないと思うがどうだろう。また、環境次第では、将来のリスクも実は高い可能
性がある。

 さて、米国のYahoo! Answersに、面白い質問(2010年11月12日頃)があった。大雑把にま
とめると、以下のような内容だ。



 質問者A:

 ロースクールって行く価値がある?

 今大学生で、歴史と法律を勉強中。また、法律関係の出版社で編集者としてバイトをして
います。そして、ロースクールへ行こうかとも考えています(歴史の勉強か司書を目指して大
学院へ行くことも)。でも、すごい心配していることがあります。

 というのも、弁護士が余り過ぎという話を聞きました。仕事がないんじゃないかって。

 法律関係の仕事を目指すには時期が悪いっていうのは本当でしょか? 

 それとも、歴史を専攻して博士課程まで行った方がよいでしょうか? あるいは、司書を目
指すべきでしょうか? さらに、聞いた話によれば、博士を取得して大学教授になれば一番
安全みたいですね!

 ある回答:

 弁護士よりも、一般過程の博士保持者の方が確実にもっと悲惨です。大学教授になれれば
非常に安定はしていますが、1つのポストに800人の応募者がいても勝ち抜けますか? また、
終身雇用の常勤になれる保証もありません。

 弁護士の市場もここ数年大変でしたが、景気が少し上向けば問題ないでしょう。

 結局のところ、何が好きなのかを理解する必要があります。何らかの分野でたくさん稼ぐ
には、それが得意でなければいけません。そしてどんな分野でもそうですが、トップになれば
稼げます。もしその仕事が好きなら、トップになるのははるかに簡単です。



 日本でも弁護士や公認会計士の職が減っているようだ(歯科医なども)。これらの専門職
でも生き残りが厳しい。

 だが、何をするにしても重要なのは、この回答の最後の段落だろう。

 自分は何が好きで、何が得意なのかを知ること。

 そして、その分野の頂点を目指して努力する。こんな生き方が最高ではないだろうか。
きっと、充実した毎日を過ごせるはずだ。また、これこそが自分の市場価値を高める、最大の
自己防衛策であるとも言える。

 今後は多くの業界でパイが縮小してゆくだろう。また、効率化とグローバル競争も一層激
しさを増し、社員のリストラ、会社の倒産も増加してゆくことは間違いない。

 つまり、生き残りへの競争が過酷になる。

 大企業に就職しても、30を過ぎたあたりからリストラは始まるだろう。最近急に、社内で
英語を公用語化する話が盛り上がりを見せてきたが、リストラ対策の一環と考えることができる。

 また、公務員だって、先月の英国の例を見れば決して油断できない。

 英国では先月、公務員約50万人の削減を含む歳出削減計画の詳細が発表された。日本でも、
似たような公的部門のリストラが行われる可能性は高いだろう。あと数年で、国債を国内でさ
ばけなくなる話もある。

 つまり、大きな組織でも、いつどうなるかなんて想像はできない時代になってきた。

 また、30代以降になってから、市場で稼げる専門のスキルが何もないと、仕事は得られな
いだろう。または、低賃金のルーチンジョブしかないかもしれない(ワーキングプア地獄)。

 だからこそ、自分が得意なこと、好きなことを早く把握し、それに沿ったキャリアプラン
を戦略的に立てて仕事をしないといけない。また、日々のスキルアップが欠かせない。

 安定していそうだから、楽そうだからなどという理由で就職していたら、生き残れない時
代が目の前に来ている。

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