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あなたにとって、大学は時間の無駄でしたか?
2010/11/15
こんな質問が、米国ヤフーの知恵袋(Yahoo Answers)にあった(投稿日は2010年10月頃
か)。そこに書かれていた内容から、米国の不況の深刻さがうかがえる。また、日本の状況
もほぼそれに近づいていると感じる。
英語の質問だが、辞書を引きながらでもゆっくりと読んでみるとよい。
相当大雑把に要約すると、以下のような内容になる。
質問者A:
大学なんかに行かなければよかった。学部4年間と修士2年間を経た結果ありつけた仕事は、
時給11ドルの仕事。労働時間は週に25時間。残された借金(学生ローン)は1万ドル。貧困層を
抜け出せる仕事にはありつけない。
本来大学にいけないような人を無理やり大学に生かせているような現在のシステム。もち
ろん、卒業したってそんな人たちは就職できるはずがない。
1950・1960年頃のアメリカでは、大半の仕事に学歴は要求されなかった。それが今では、
ガソリンスタンドやウォールマート(大手スーパーチェーン)で働くのにすら、大卒の肩書が
要求される。
学歴を要求されるが、面白いことに、経験の方が重視される。また、昔と同じ仕事なのに
学歴を要求される。でも、みんなそれに従うしかないんだね。
希望のない仕事から脱出はできない。やる気はあっても、仕事がない。それでも、毎月1
千ドルのローンが…。お金をドブに捨てるようなもの。
だから、大学やまして大学院なんて絶対に行くべきではなかった。行かなくても、糞みた
い仕事についたかもしれないが、気の遠くなるような借金に悩まされることはなかっただろう
から。
Best Answer:
あなたの気持ちはよくわかる。私も2つの学位を持っていて、大学院に行こうかと計画中。
そしたら今は難しい、時給11ドルの仕事を確保できそうだから。
大学を出て見つけられた仕事と言えば、コールセンターの仕事。時給は9ドル。ストレス
が半端なく、2か月で辞めた。
財政状況はあなたより最悪。最近手にした仕事は、時給8ドルの仕事(姉のコネでようや
く。私ってラッキー!)。でも、車の修理もできなくて、仕事探しにも影響している。
学生ローンの借金は、だいたい5万5千ドル。返済はまず無理。
ウォールマートやガソリンスタンドで働ければ幸せね。
学歴が無駄って言うけど、私はそうは思わない。ただ、卒業した年が悪かっただけだと思
う。前向きに考えたい。
2年以内に景気は良くなると信じているから、その時に学歴が役に立つかも。
ただ、今週仕事にありつけるまでは、ネガティブだった。
いかがだろうか? 日本の現状とほぼ似たような状況だと感じる。
返せない学生ローン(育英会の返済が滞っている問題)、学歴があっても職がない、仕事
にありつけても、将来が見えない(賃金の上昇が見込めない、家庭を持つなんて無理)など。
日本の場合はさらに、新卒優遇などの問題が加わるだろう。また、一度正規(正社員)
ルートをはずれると、復活が難しい点など。
先日発表された2010年度の大学生の就職内定率が57.6%。まともな就職先(長く勤められ
る企業)の割合を引くと、おそらく実質20%ぐらいだろうか。
暗くなる話ではあるが、現実を受け止めて、その現実をベースに自分なりの人生設計を立
ててゆくしかないだろう。
なんだか、この時期に尖閣諸島の問題や北方領土の問題が出て来たのは、偶然ではないの
かもしれない。
国民の視線を、一番重要な雇用の問題からそらすために(各国政府が協力してたりして…)。
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