――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

営業職とコミュニケーション能力…文系出身の危険性

 文系の学生は、営業職を目指す人が多い。コミュニケーションが得意で、その力を発揮で
きると考えるからだろう。だがそれは、今後は(10年ほど前から既にだが)結構リスクの高い
選択となるかもしれない。

 営業職で一番大事なのは、コミュニケーション能力よりも売る意思だ。売るのが好きという
性格じゃないと続かない。口下手でも、好成績の営業マンだっている。

 銀行や金融関連、不動産などでは、特に離職率が高いと聞く。どれだけ学歴が高くても関係
ない。売るのが好きで、成績を上げられないと続かない。

 この不況下で(10年ほど前の就職氷河期ぐらいから)、物やサービスを売るということはど
ういうことか。

 社会情勢は昔と激変している。買いたい物や必要な物は、ネットなどを使用して自分でしっ
かりと調べてから購入するようになった。この傾向は、今後ますます強くなるだろう。

 つまり、需要が激しく低下しているうえに、人々の購買行動も変わってきた。そんな中で営
業成績を上げるとなると、良心が痛むような方法(舌先三寸)で売らなければならないことも
出てくる。

 とても真面目な人には続かない職業だと感じる。離職率が高い上、求人の豊富さをみても、
それはわかるだろう。

 文系の学生はどれだけ学歴が高くても、何か市場価値を発揮できる専門性がないと、就職は
できても長く勤めるのが難しい。また、辞めてしまった場合、さらに再就職は難しくなる。

 安易に営業職を選択するのではなく、より緻密なキャリア戦略を考えて就職しないと、高学
歴な人ほど後悔することになる可能性がある。

[前のページ]                   [次のページ]

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

inserted by FC2 system