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FIFAワールドカップ アジア3次予選 北朝鮮が日本に勝利
…北朝鮮の気迫溢れるプレーが勝る

2011/11/15

 平壌でのアウェー戦。本田選手や長友選手がいない中、日本は二軍と言っても良い
メンバーだった(三次予選突破が決まっていたからなのか)。

 そうは言っても、北朝鮮の強さが目立った。前半戦だけで、北朝鮮に2点ぐらい取ら
れてもいい感じだった。個人的には、3−0ぐらいで日本が負けた感じがする。

 本田圭佑選手が怪我で抜けてから、何か日本が急激に弱くなった感じがしていたが、
今日の試合はすべてがひどかったように見える。

 確かに、北朝鮮はラフなプレーが多く、反則も多かった。後半も点を取ってから、明ら
かな遅延行為が多々見られた。マナーは明らかに低い。

 しかし、これは戦いである。北朝鮮のボールに対する執念、絶対に勝つという気持ちは、
ものすごいものがあった。

 最初から最後まで、ずっと北朝鮮が圧倒的にリードしていた感じだ。

 この勝利に対する執念は、日本も見習わなければいけないだろう。

 このゲームで面白かったのは、前半に交代された、北朝鮮のチョンテセ選手。

 在日韓国人で、日本でもプレーしていた選手であるが、北朝鮮の中でも特に実力の
ある選手だろう。それが、前半35分ぐらいで交代。特に怪我をしている様子もなく。

 これは推測だが、チョンテセ選手は、日本に少しフレンドリーな感じがあったから
ではないか。

 試合開始前に選手同士が握手する場面があるが、そこでチョンテセ選手は、やはり
少し日本人と紳士的な対応(少し笑顔もあった気が)をしていた。

 北朝鮮の監督は恐らく、北朝鮮全体の炎のような執念(日本をぶっ飛ばしてやる!
というような気迫)が、わずかでもブレてはまずいと判断したのかもしれない。

 チョンテセ選手は朝鮮人である一方で、やはり日本で育っただけあって、北朝鮮の
選手のように、日本人をぶっ飛ばしてでも勝つというプレーが、やや難しい可能性があ
る(教育はやはり重要だという、証拠にもなるが…)。

 チーム内の実力者でもあるチョンテセ選手を代えたのには、それぐらい強烈な気持
ちで、北朝鮮の選手が日本に挑んでいた証拠なのかもしれない。

 日本が最終予選を突破し、頂上を目指すには、今日の北朝鮮が見せたような強い気
持ちと激しいプレーも必要になってくるに違いない。

 反則はいけないが、紳士ぶっていても勝てないだろう。

 政治的要因や民族的なレベルなどを排除し、スポーツという観点から考えて、北朝鮮
にはラフプレーが多かったにしろ、今日は北朝鮮がいいプレーを見せたと、日本は素直
に負けを認めざるをえない(特にメンタルの面で)。

 また、これは負け惜しみでもなく、ただの感情論だが、今日は北朝鮮に勝たせてやっ
て良かったのではないか。

 日本はどっちみち3次予選突破が決まっていたのだし、北朝鮮の人々は、苦しみと絶
望しかない日々を送っている。

 そんな北朝鮮の市民に、日本に勝ったという、唯一の喜びをプレゼントしても良かっ
たのかもしれない。それで暗黒の日々に、少しでも生きる希望が湧いてくるのなら。

 また、これは日本にとってもいい薬になったはず。ザック監督にとっても、何か得
るものがあっただろう(どの選手が使えない、ハートが弱いなど)。

 今日の負けをしっかりと分析し、最終予選を突破して、頂点を目指してザックザック
勝って欲しいものである。

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