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子どもの声が聞こえないバブル以上の世代?
…取り返しの付かない悲劇は世代間ギャップから生まれる
2011/10/10
自分の子供が正社員として就職して、胸をほっとなでおろす親。ところが少しして
から(あるいは1年以上たってから)その子供が、「会社辞めたいんだけど」などと言い
出したら、親はどのような態度を取るのだろうか。
おそらく、「このご時世、辞めて仕事なんかあるのかい! 甘いよ、考え方が! 石の
上にも三年って言うんだから、三年ぐらいまずは頑張りなさい!」などと、いわゆる昔
の常識にとらわれた考え方で怒るのではないか。
バブル以上の世代と、就職氷河期以降の世代との間には、簡単には分かり合えない
社会状況の違いが存在する。
そのため、就職氷河期以降の世代が直面する労働環境は、甘い時代に育った親世代
には理解できない人が多いのではないか。
だから、東証一部上場企業で待遇も良い企業に務める子供が辞めるなどと言った場
合、反射的に「自分の子供は考え方が甘い」などと思ってしまう可能性がある。
そのような現在の労働環境に理解が浅い親は、以下のような動画を見て、取り返し
の付かない状態になる前に反省した方が良い。
ユーチューブ(YouTube)に載せられている、「"正社員は名ばかり" 増える若年過
労死」という動画(2年前のNHKニュース)。
仮に子供が東証一部上場企業や大企業に就職できたからといっても、もはや安心な
どどこにもない。
今の20代、30代が直面している労働環境は、まさに地獄のところが多い。
親は、そのような地獄で自分の子どもが仕事をしていることを認識した方がいい。
アホな親になると、特に息子に対しては頭ごなしに、「お父(母)さんだっていろい
ろ大変な経験をして〜」などと言い出して、息子のNOのシグナルを拾えないだろう。
そして、最悪の事態になってから、「あの時もっと話を聞いておけば…」などと後
悔することになる。
気の弱い若者の場合、自分の体が発してくれる危険シグナルよりもバカ親の意見に
従ってしまうだろう。
さらに、日本人特有のバカ真面目さが加わって、「そうだな。自分は甘いな。もっと
頑張らないといけないな」などと考え、病気になるまで働き続けてしまうかもしれない
。そして最悪の場合は、死ぬことでようやく仕事を辞められるという…。
バブル世代以上の親はもっと(感覚的に10倍以上は努力して)子供の声を聞く。子
どもは、あきらめないでぶつかり合うのを恐れず、冷静に現状を丁寧に説明することで、
このような悲劇は防ぐことができるはず。
病気になるまで働いたり、死ぬために働いたりする必要はない。
もっと気楽に生きてみてはどうか。
もちろん、気楽に生きるためには何かを捨てる必要はあるだろうが、健康や命より
大切なものなどあるだろうか。
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