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日本企業が没落してきた理由(今後も含めて)

2011/2/28

 昨今、中国企業やインド企業の躍進が目覚ましい。最近で言えば、NECとレノボの合弁事
業の話も出てきた。あるいは、中国の自動車部品メーカーに買収された日興電機工業の件
など。さらに、山東如意科技集団の傘下に収められたレナウン。

 中国やインド、東南アジアに工場を移す日本企業が後を絶たない。また、ファーストリテイ
リング(ユニクロ)や、楽天、パナソニックなど、日本企業が外国人採用を活発化させている。

 こういう動きや昨今の円高などの為替要因、また、海外で働きたくない日本人の増加など、
さまざまな理由がある。

 このような動きを考えると、なるほど、日本企業は人件費を抑えるつもりだな、というのが
見えてくる。中国なんかは、人件費が安いから強いんだと。日本企業は技術はあるが、人件
費が高いと。

 いや、それだけでは絶対にない。あ、そうそう、為替の要因もあるよって。いや、それだけ
でもない。

 日本企業がどんどん落ちぶれている理由。グローバル市場で勝てない理由。その根本的な
理由は、実はもっと深刻であると考える。

 ズバリ言うと、ホワイトカラーのレベルが低過ぎる。生産性が悪過ぎる。というよりも、ビジ
ネスプロセスが下手過ぎる。日本企業は一体何をやってきたのだと。

 日本企業のホワイトカラーのダメさ加減を考えると、如何に日本は、優秀なブルーカラー
の方々に支えられてきたのかと。優秀な技術者たちに支えられてきたのかと。

 それを考えると、ブルーカラーの方々がどれだけ冷遇されてきたのかと、涙が出そうにも
なる。それだけ、日本のホワイトカラーは低レベルで、プライドだけが高い(あくまでも私個
人の、体験に基づく主観ではあるが)。

 仕事上、世界中の人々と日々仕事をしているが、明らかに、中国人ホワイトカラーにも大
差で負けている。

 5年前ぐらいは、中国人はビジネスマナーも知らないなぁ〜、などと思っていたが、最近の
成長ぶりは素晴らしい(平均的にみると)。価格でも、日本や欧米企業と同等、あるいはそ
れ以上を提示してくる会社もある。

 一方で、日本企業には失望させられっぱなしだ。とにかく、スピードと意思決定が遅すぎ
る。コミュニケーションスタイルも、はっきりいって古過ぎる。これは、日本企業では終身雇
用がいまだに、結局幅を利かせており(特に高齢層では)、古い世代が実権を握っている
せいなのかもしれない(世界がまったく見えていない)。

 しかも、日本的というか、村的というか、後だしじゃんけんというか、いちいちせこいし、
まどろっこしいし、時間の無駄だし。

 こんな日本企業は、もちろん、日本でしか通用しないのだろう(日本企業がお互いになあ
なあと)。だから、グローバル社会では負けるしかないのだ。

 主に、古い世代に築き上げられたのであろう、日本のダメホワイトカラーのコミュニケー
ションスタイル。役場の公務員のような、生産性のなさ。スピードのなさ。情けないことに、
日本の民間企業も、根っこの部分がやはり同じようなものなのかもしれない。つまりこれは、
日本人の古き良くないメンタリティに起因する可能性がある。

 ああ、これからも日本企業は没落してゆくだろう。インドはまだまだビジネスマナーやプ
ラクティスが低いが、それでも徐々には向上しつつある。単価がまだまだ安く、一度も仕事は
受注したことがないが、提示される価格は上がってきている。

 逆に、日本企業はけちなところが増えている気がする。そんな日本企業の仕事は絶対に受
注していない。

 外国人の採用をどんどん進める日本企業。優秀な彼らに、大半の日本人、いや、会社ごと
乗っ取られる日本企業も、いずれ出てくるのだろう。日本の技術者たちの力、ブルーカラーの
方々のレベルの高さを考えると…悲しいかな。

 日本のホワイトカラーは給料をもらい過ぎだ。もっと、ブルーカラーの方々に配分を回した
方が良い。そして、ブルーカラーの方々のプロフェッショナルな意見に、謙虚に耳を傾けな
ければいけない。

 ああ、日本企業の没落が目に見える。こんな悲しいことを力説せざるを得ないぐらい、主
にホワイトカラーにけん引される日本企業のビジネスプラクティスが、目に見えてひどいので、
腹が立ってしまった。

 また、ビジネスをしていて最高の国はどこかと言えば、やはり米国。アメリカだ。

 仕事の大半は米国企業と行っているが、彼らのスピード、効率の良さ、フランクかつフレ
ンドリーなコミュニケーション。ビジネスライクで簡潔なやり取り。明確さ。一歩も二歩も秀
でている。気持ち良く取引できるクライアントが、圧倒的に多い。

 これだけ言っておいても、どこの国が一番好きかと言われれば、もちろん、圧倒的に日本だ。
日本は最高の国。これは間違いない。数か国で生活したこともあるが、これは間違いない。

 日本人最高。それは自信を持って言える。しかし、だからこそ、日本企業の没落、特に、
ホワイトカラーのダメっぷリが悲しくてしょうがない。腹が立ってしょうがないのである。

 なぜか。それは、ビジネスチャンスや機会損失が相当あるだろうと、考えられるからであ
る。それに腹が立ってしょうがない。非常にもったいない。

 この日本国は、相当すごい潜在能力を持っている。それをまったく生かし切れていない。
殺していると言ってもいいだろう(いや、殺されていると言うべきか…)。

 日本的な村文化、村コミュニケーション、陰湿ないじめ、湿ったビジネスプラクティス。
もう最悪だ。

 最後に一言言いたいが、日本は早く、若者へバトンタッチした方がいい。若者を見くびら
ない方がいい。コミュニケーションスタイルも向上しているし、若さとパワーがある。高齢層
は、それを認めたくないのだろうが、これは事実だ(主観だが)。ただ、そんな若者たちも、ダ
メ高齢ホワイトカラーに毒されているのも多い。これも悲しい事実だ。

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