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2011/4/03

内発的モチベーションはファンタジーではなくリアルにある

 大企業でホワイトカラー(事務職など)を目指していて、それなりの大学を卒業
したとする。また、運よく希望の会社に就職できて、希望の事務職を始めたとす
る。

 待遇だって悪くない。周りの友人などからもうらやましがられるほど。だが、仕
事を始めてしばらくたち、なんだか充実感がない。自分の理想の仕事だったはず
なのに。

 そのうち、仕事へのモチベーションも少しずつ下がってゆく。入社時の努力す
る姿勢や、向上心もなくなってゆく。

 また、仕事に身が入らない日々を送っていると、モチベーションの高い同僚に
もどんどん抜かれて行く。

 このような人が、間違いなく存在するはずだ。その場合、自分が考えていた自
分の適性と、実際の仕事に求められる適性に、ギャップが存在するものだ。

 例えば、勉強がよくできても、実は肉体労働の方が合っている人もいる。実際
に、東大を卒業して、トラックドライバーをしている人もいる。

 周りから見ると、なんとも学歴の無駄に見えるかもしれないが、当の本人が楽
しんで仕事をしているのならその方が幸せなはずだ。

 また、一時的にトラックドライバーをしていても、一生そのままではないかもし
れない。いつか年を取ってから、その経験を生かして、その道の管理職や経営者
へと駆け上がるかもしれない。

 最近は大卒が多くなり、典型的なホワイトカラーを目指す人が多い気がする。
だが、実際には、本人の適性がなかったら、充実感は得られない。

 以前、ガス会社からガスの点検に来た人と、少し話をしたことがある。その人
から、「これでも本当は英文科を卒業しているんですよ」などと言われた。

 その際に私は、「でも、機械いじりとか好きなんじゃないですか?」などと聞い
たら、やはりその通りだった。電気製品を分解したりするのが好き、などと言っ
ていた。

 その方はおそらく本能的に、自分が本当の意味で適している仕事に就いたのだ
ろう。だから、心も安定して長くその仕事に就いているのだと思う。

 自分は〜学科卒業だから、大卒だからなどと、固定観念にとらわれた考え方を
していると、自分の本当の適性に合った仕事に就けないかもしれない。

 勉強なんか、本気で取り組めば誰でもそこそこできてしまうから、よく勘違いが
起こりやすい。本当はたいした適性(生まれつきの才能)もないのに、自分はそ
の分野において実力があるなどと、思い込んでしまう人がいる。

 そう、重要なのは、この生まれつきの才能(真の適性)を生かせる仕事に就く
ことだ。

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