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2011/3/10

 現在、外発的モチベーションが著しく低下している。つまり、給料はどんどん下
がっているし、ボーナスも出ない企業もある。また、職の保証なんてないに等しい。

 このような状況下では、外発的モチベーションだけを軸に仕事を選んでいては、
高い確率で辞めたくなる、あるいは辞めてしまう若者が続出するのもうなずける。

 また、外発的モチベーションを信じて(あるいは今現在保証されていて)仕事を
していても、いつ給料が下げられるのかがわからない。会社の業績が突然悪くなっ
たり、最悪倒産したりするケースもあるだろう。あるいは、中国企業や外資などに
買収されて、今までの待遇や昇進制度が完全に失われてしまったり。

 そのような事態になると、外発的モチベーションはとたんに急降下してしまった
り、ゼロになったりしてしまう。

 そうなってから外発的モチベーション(給料、地位、体裁など)がグンと下がっ
てしまうと、恐らく、相当後悔することになったり、激しい怒りさえもこみあげてき
たりするかもしれない。「本当はやりたかった道に行かずに、生活のために我慢
していたのに!」などと。

 このように書いていると、勘違いをされてしまうかもしれないが、何も外発的モ
チベーションが悪いと言っているわけではない。そうではなく、バランスの問題
である。

 最低限の生活ができるぐらい稼げないと、さすがにモチベーションは上がって
こないだろう。また、お金なんていらないと自信を持って言える人が、どこにいる
だろうか。いるわけがない(既にお金を十分に持っている人を除いて)。

 ここで言いたいのは、まず先に、自分の真のモチベーションから発想して、次
に外発的モチベーションを考えるというような方向性がいいはずだ、ということで
ある。

 超氷河期で、「選ばなければ仕事はある」から、まずは仕事に就け、という考え
方は理解できる。だが、その考え方が仕事に就けても、続けることは本当に難しい。

 逆に言えば、現代人は、それほどまでに豊かになってしまった。もはや、物や
お金だけを追いかけて、深い満足感は得られないほどまでに、豊かになってしまっ
たのだ。だから、金銭的なモチベーションだけでは、単純には仕事のモチベーショ
ンにはつながらない(多少の効果はあるが)。

 また、現代人は、この物質的な豊かさのせいか、より精神の充足を求め始めて
いる人が増えてきたと感じる。この心の豊かさとは、外発的モチベーションだけで
は決して満たされるものではない。

 毎日幸せに、朝から楽しくなるように生きるには、内発的モチベーションを軸
とした人生の方向性を考えて生きて行く必要がある。

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