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2011/3/9

二種類のモチベーション

 モチベーションについて考える時、まずは2つの異なるモチベーションを意識
したい。

 まず1つ目は、外発的モチベーション。これは、給料や地位といった、外から
与えられるもので構成される。

 そして2つ目は、内発的モチベーション。これは、給料や地位などとは関係なく、
自分が本当にそれをやりたい理由などから構成される。例えば、人と話すのが
本当に好きだから、接客業に就く人。本当に人の世話が心から好きだから、介護
職を目指す人(尊敬)。絵を書くのが好きだから、どれだけ貧乏で稼げなくても、絵
を書き続ける画家。

 簡単に言えば、そのようなイメージだ。

 先に述べた、「だが、昔と今では、社会構造(現在および今後も含めて)があま
りにも違い過ぎる。まるで違うゲームをしているようだ。職が終身雇用で守られ
ていて、給料が右肩上がりに上がってゆく。そんなものが保証されていたら、嫌な
ことがあっても、何とか我慢して定年まで勤められる人が多数いたと考えられる(そ
もそもリストラなんて言葉すらなかったが…)。さらに、仕事の負荷も今の時代よ
りもだいぶ楽だったはず。プレッシャーも少ない」という部分は、まさに外発的モチ
ベーションにあてはまる。

 昔は、社会全体が強力な外発的モチベーションを人々に与えていたのである。
だから、頑張れる人が多かったにすぎない。

 たとえ、自分の真のモチベーションとは違う仕事であっても、それを十分にカバー
するだけの、十分なモチベーションが与えられていたのだ。当然、退職率も低く
なる。

 確かに古い世代(団塊の世代など)の方々は、大いに仕事をしたと思う。だが、
家族のためだ何だと言うけれど、実際には、強力な外発的モチベーションに支えら
れていたに過ぎない、というのが私の個人的な見方である。

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