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外発的モチベーションと内発的モチベーションの持続性

2011/4/16

 結論から言うと、外発的モチベーションは一時的、内発的モチベーションは長
期的、または永続的な傾向が強いと感じる。

 なぜなら、外発的モチベーションは、外的環境に左右されやすい。

 例えば、給料。会社の業績次第、社会環境次第で、一気に下がる可能性がある。
もし、給料や待遇が主なモチベーションとなっていた場合、今までどれだけやる気
に満ち溢れて仕事に打ち込んでいたとしても、一瞬で冷めてしまうだろう。

 特に今のような時代だと、有能な人、スキルが高い人でも、安定して高給を稼
ぐことは難しい。

 また、地位や出世を目指してやる気を高めるのも同じだ。ある程度時間が経っ
て、それが無理だと感じた場合や、その意義が感じられなくなった場合など、モチ
ベーションは途端に失われてしまう。

 一方で、内発的モチベーションが強い人の場合(自分の好きなことで生計を立
てている人)、多少収入が落ちても、好きなことをやっているという充実感から、
モチベーションはそれほど下がらないものだ。

 また、好きなことをやるためには、生活水準をギリギリまで落とすなどして、節
約するのも苦にはならないはず(この点を悪用する経営者は論外だが)。

 自分の好きなことができるというのは、それほどまでに充実感が違う。

 何も目指す必要もなく、楽しいからいつでも頑張れるという、至ってシンプルな
動機だ。だからこそ、何も考えなくても持続性が非常に強い。

 エジソンがどれだけ失敗を重ねたのかはわからないが、好きじゃないとあれだ
け偉大な発明をして、有名になるまで持続力を発揮するのは難しかったに違いな
い。

 仕事など選んでいる場合じゃないなどと言う人もいるが、むしろ、もっと慎重に
選ぶ必要がある時代だと考える。

 自分の内的モチベーションを深く分析し、自分の適性を詳細に把握して、それに
沿った仕事で最大限に努力をしてゆくのが、外的環境が急速に動く現代に、最も
適した生き方であるのではないか。

 このことを考えると、何をやっても続かない、会社に入ってもすぐに辞めてしま
う人は、おそらく、自分の内発的モチベーションと合わない物事を、無理やり続
けようとしているだけのように感じられる。

 日本人は精神論が好きだが、精神論だけで物事がうまく進んだのは、単純に時
代が良かっただけ(外発的モチベーションが簡単に満たされた時代)の話だろう。

 自分の内発的モチベーションを知って、それに沿って生きて行けると、誰もが、
水を得た魚になれるはずだ。

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