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実践で初めて分かる、
自分の詳細な能力や適性、モチベーション

2011/4/14

 学生の頃は、どれだけ自己分析をしてもよくわからないものだ。自分の本当の
適性は、頭の中でいくら考えても、間違っている場合が多々ある。

 仕事を実際にしてみると、想像していたのと違うと感じる人は多い。

 例えば、人と話すのが得意だから営業職なんかを選ぶと、続かない人が多い
のではないか。

 なぜなら、営業職の仕事は、売ることだからである。人と話すことは、そのプ
ロセスの一つにすぎない。

 売れない物でも得るのが営業職なのだ。売れと、会社に命令される。そうしな
ければ、営業職として失格。給料はもらえない。

 このシンプルな事実が、文系の学生には理解できない人が多いと感じる(特に
就職前)。

 これはおそらく、頭の中だけで考えていても、リアルな感情の動きが感じられ
なかったり、仕事の詳細が見えなかったりするからからだろう。

 まさに百聞は一見に如かず。

 だが、逆に言えば、やってみて初めて、自分の適性や本当のモチベーションが
見えてくるとも言える。

 仕事はお金を稼ぐものと考えていたはずなのに、実際には、違う充実感を求め
ていることもある(あるいはその逆も)。人に感謝されることが本当の仕事の原動
力だったり、本当はお金をガンガン稼ぎたかったり。

 あるいは、クリエイティブな仕事が好きだと思っていたのに、実は単調な仕事
が肌に合っていたり。または、その逆も。

 単調な仕事だと思ってやり始めたら、意外と奥の深さに気付いたり。

 または、人のお世話をするのが好きだからといって介護福祉の仕事についても、
他人の汚物を取り替えたり、理性も衰えているような態度を取る人のお世話を、喜
んでするところまではできなかったり、など。

 物事の本質は、実際にやってみて初めて分かってくる。理論では好きでも、実
践は好きではない場合も。

 だから、一度伝統的な正社員人生から外れた人は(そのわけは後述)、少し気
楽に、本当の自分に適した仕事を探せばよい。

 アルバイトから始めても、適性のある仕事は抜群にできるようになるし、面白
い展開(正社員や、他社へ正社員として転職)が待っているかもしれない。

 さて、こんなことを書くと、ついでに書きたくなってしまうのが、日本の労働
市場。

 上記のように、本当は人間の才能やモチベーションとは、実践でのみ発掘でき
るものだと感じる(幸運にも、自分の考えていた通りに、自分の適性と仕事で求め
られる適性が一致した人を除いて)。

 それを考えると、日本の労働市場は古過ぎる。新卒一括採用や、正社員労働者
の保護が強過ぎるため、労働市場に柔軟性がない。

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