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2011/4/03

 実社会で仕事をすると、そのことをつくづく感じる。学歴なんか、高学歴であろ
うが、その分野の学科を卒業していようが、この真の適性がないとまったく関係
ない(生かされない)。

 どれだけ努力をして高学歴を手に入れたとしても、この真の適性と合わない仕
事をする限り、その分野で真の適性がある人には、まず勝てない。仮に、その人
が何の学歴を持っていなくても…。

 残念ながら(ある種残酷ではあるが)、努力は才能には勝てない、というのが私
の感じ方である。

 努力とは、才能を生かす行為、あるいは、才能の無い分野を、標準近くまで高
める行為であると感じる。

 だから、私たちは自分の才能を生かせる仕事に就く必要がある。そして、その
分野は、内発的モチベーションとリンクしているはずだと、個人的に信じている。

 私たちは誰でも、何らかの才能を持っている。先祖代々受け継がれてきた、自
分のDNAを信じて、脈々と受け継がれてきた、自分に与えられた才能を発掘して、
生かさなければならない。

 ここで、気を付けなければいけないのは、自分には才能がない、という人。こ
ういう人はおそらく、他人と比較しているはずだ。他人と比較するのではなく、自
分の中だけに焦点を当てて、あらゆる分野における自分の才能を、自分の中だ
けで相対評価するのである。

 プロのスポーツ選手だって、レベルがいろいろ。例えば野球なら、国内の1軍
もいれば、2軍もいる。また、イチロー選手や松井選手のようなメジャーリーガーも
いる。

 ある2軍の選手が、仮にイチロー選手や松井選手と比較したら、自分には才能
がない、などと思ってしまうかもしれない。

 しかし、客観的に見れば、その選手だって十分に野球の才能があるはず。後は、
その人の戦略的な努力次第だろう。

 戦略的な努力とは、自分の実力に見合った、自分を最大限に生かす方法に基づ
いて、自分のポジションを見つけることだ。

 分かりやすい例が、元巨人軍でバント職人と呼ばれた川相昌弘さんだ。犠牲バ
ントの世界最多記録を持ち、華麗な守備で名をはせた選手だ。

 もし川相選手が、ホームランばっかり狙ったりしていたら、そのような偉大な記録
を残すことは難しかったと感じる。

 川相選手はまさに、自分を最大限に生かす道を見つけ、世界記録まで達成して
しまった好例と言える。

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